20年前に交わされた「離婚の約束」から始まる、夫婦と家族の物語フジテレビの木曜劇場ドラマ『小さい頃は神様がいて』は、“夫婦って何だろう?”“家族ってどうあるべき?”という問いを私たちに投げかけますが最終回の結末のネタバレとは?離婚から復縁のハッピーエンド?
本記事では、『小さい頃は神様がいて』の原作・脚本情報から全話あらすじ、キャストの関係性、衝撃の最終回結末予想、そしてユーミンが歌う主題歌の意味までを網羅。読み終わる頃には、きっとあなたも“人生の選択”について考えたくなるはずです。
【最新追記】『小さい頃は神様がいて』最終回ネタバレ結末予想!復縁するハッピーエンド?
最終回あらすじ予告
ついに11話で最終回を迎える「小さい頃は神様がいて」。
まずは、最終回のあらすじ予告をご紹介していきます。
小倉渉(北村有起哉)と佐藤あん(仲間由紀恵)は、それぞれクリスマスムードの街を歩きながら、お互いのことを考えていた。一方、「たそがれステイツ」一階の永島家ではクリスマスの飾りつけ真っ最中。サンタが来るのを楽しみにしている子どもたちを見て、永島慎一(草刈正雄)とさとこ(阿川佐和子)は、「サンタさんは絶対来るよ」と話す。
樋口奈央(小野花梨)と高村志保(石井杏奈)のキッチンカーの開店日がやってきた。渉と永島家一同がキッチンカーへ向かっていると、あんが合流する。久々にあんと会えてうれしくてたまらない渉。その頃、奈央と志保は開店準備を進めていた。小倉ゆず(近藤華)はその様子を離れた場所から撮影する。奈央は「新しい扉が開くんだね」と志保に声をかける。開店すると、キッチンカーにはすぐに客が訪れて二人は大忙し。「たそがれステイツ」の面々や小倉順(小瀧望)ら消防隊員の仲間も集まり、みんなは料理をほおばり笑顔になる。
ゆずや奈央と志保は、あんの家に泊まりに行く。それを知って「ずるい」と文句を言う渉。ゆずは離婚したのだから当然だと諭すが、渉は納得できない。そしてクリスマスイブの朝、東京に寒波が襲来する。起床したあんは暖房をつけようとするが、何をやっても暖まらず、寒い部屋で途方に暮れる。そこに順から連絡が届き…。渉とあん、離婚した二人は最後、どんな答えにたどり着くのか―!?
引用元:公式サイト
10話では、離婚後の渉とあん、そして周囲の人達の生活が描かれました。
少し寂しそうな様子のあん。渉は、会社で産休を取った若い社員の言葉を受けて、自分が一緒に育児に参加しようとしなかったことに改めて気づいて反省します。
しかし、反省した上で、ゆずに頼んでビデオメッセージを送ります。「こうして欲しいってなんで言ってくれなかったのか?俺を諦めたのか?それが悔しい」と渉にしては、厳しい言葉を投げかけます。
それは、個人的にもあんの離婚理由を知った時のモヤモヤが解消しました。
あんは「言わなくても気づいてほしかった」んですね。それは・・・難しい。言って訴えても、難しいのに、言わないで気づくなんてなかなか難しいけど、あんはそれを求めて、何も言わずに、耐えて、気持ちが膨らんでしまったんですね。
この言葉を受けて、あんに何か変化が現れるのでしょうか?
そして最終回では、大寒波が訪れて、再びあんが、「たそがれステイツ」に行き、皆で集合するようです。
順がまさかの結婚!?
個人的に予告でびっくりしたのが、順の突然の「結婚」の言葉。
ミスリードなのか?本当に順が結婚するのか?
ただ、ずっと終始周囲に気を遣って、不憫すぎる順を見ていたので、気を遣わない相手だったら、結婚して幸せになる最終回を見てみたいと思います。
最終回ネタバレ結末予想!復縁するハッピーエンド?
そしてなんといっても、気になるのは、離婚してしまった渉とあんがどうなるのか?
何も変わらないまま、最終回を終えるのか?もしかしたら、渉のメッセージが心に響いて、あんも自分の言動を思い返して、再びやり直す、復縁なんてこともあるかもしれません。
1人で部屋で過ごしているあんが、なんだか幸せに見えなかった10話。
そうなると、最終回は復縁する可能性が高い気もします。ただ復縁しなくても、ハッピーエンドの終わり方をするのかな?と予想しています。
『小さい頃は神様がいて』原作と脚本家情報まとめ
原作は存在しない?完全オリジナル脚本の理由
最終回はいつ?なのか全何話までが判明しましたので、以下の記事でご紹介しています!
まず結論からお伝えすると、『小さい頃は神様がいて』には原作小説や漫画はありません。完全なオリジナル脚本作品として制作されています。
その理由は、脚本家・岡田惠和さんの“日常にある静かな感情”を描き出す力にあります。既存の原作に頼らず、自身の言葉と世界観で新たな物語を届けたいという意志のもと、オリジナルで構成されました。
ドラマのタイトルも、松任谷由実さんの名曲「やさしさに包まれたなら」の一節からインスピレーションを得ており、日々の暮らしの中でふと気づく「生きることの美しさとしんどさ」を描くことに重きが置かれています。
あらゆる世代が共感できるセリフや心のひだをすくい取る会話で構成されるこの物語は、誰かの実話のようでありながら、誰のものでもないフィクションとして完成度を高めています。
脚本は岡田惠和が担当|夫婦のリアルに迫る作風
本作の脚本を手がけるのは、名作『ひよっこ』や『最後から二番目の恋』で知られる岡田惠和さんです。
デビューは1990年、30年以上にわたり数多くのヒューマンドラマを手がけてきた実績あるベテランです。
岡田さんはこれまで、「家族」や「友情」「恋愛」を中心とした作品を多く描いてきましたが、本作は“夫婦”を真正面から描く点で新たな挑戦となっています。
今回の脚本では、「最高にいいやつなのに、どこかズレている夫」と「不満を抱えつつも優しくかわいい妻」のリアルなズレとすれ違いを、丁寧な会話劇として仕上げています。
脚本執筆にあたっては女性プロデューサー陣との打ち合わせが続けられ、家庭や夫婦関係に対する多面的な視点が取り入れられたとコメントされています。
岡田惠和の過去作と比較する“心地よい会話劇”の魅力
岡田惠和さんの真骨頂は、“気取らず、でも刺さるセリフ”を紡ぐ会話劇にあります。
本作でもその技術が存分に発揮されています。
たとえば、かつての代表作『ひよっこ』や『ちゅらさん』でも、登場人物たちが何気なく交わす言葉の中に、人生のヒントや癒やしが散りばめられていました。
『小さい頃は神様がいて』では、夫婦・家族・ご近所とのやりとりが“笑い”や“ちょっとした涙”につながり、セリフの間合いや呼吸にまで人間らしさがあふれています。
以下は、岡田作品の代表的な会話劇との比較表です。
| 作品名 | 主題 | 会話の特徴 |
| ひよっこ | 昭和の青春と家族愛 | 方言交じりの温かい言葉で紡がれる日常会話 |
| 最後から二番目の恋 | 大人の恋愛と再出発 | ウィットと毒が入り交じるテンポの良い掛け合い |
| 小さい頃は神様がいて | 夫婦・家族・再生の物語 | 一見淡々としたやりとりに重みと優しさが宿る |
過去作の魅力を引き継ぎつつ、本作では“夫婦の機微”という新たな切り口で、岡田惠和流の会話劇が進化を遂げています。
『小さい頃は神様がいて』あらすじ概要・離婚を決意した理由とは?
第1話〜最新話の展開を時系列で紹介
『小さい頃は神様がいて』は、東京郊外にある「たそがれステイツ」という3階建てマンションを舞台に、3世帯の住人たちの一夜と、それをきっかけに変化していく日常を描いたヒューマン・ホームドラマです。
ドラマの大きな展開は以下の通りです。
- 第1話:台風により住人たちが一つ屋根の下に避難。心の距離が少しずつ近づき始める。
- 第2話:20年前の「離婚の約束」があったことを妻のあんが夫・渉に告白。夫婦関係が一気に緊迫する。
- 第3話:あんが離婚したい本当の理由を語る。母親としてではなく「自分」として生きたいという思いが明らかに。
このように、単なるホームコメディではなく、丁寧に積み重ねられる「心の変化」が見どころです。
小倉夫婦の“20年越しの離婚約束”に秘められた想い!離婚を決意した理由とは?
注目すべきは、主人公・小倉あんが“子どもが20歳になったら離婚する”という約束を19年前に夫・渉に持ちかけていたという事実です。
その背景には、育児ノイローゼやキャリアの断絶による心の疲弊がありました。
渉を嫌いになったわけではないが、失ってしまった自分自身の人生を、いつかやり直したいと言う想いもあり「自分として生きるためのリミット」として、あんは離婚の約束を“生きる支え”にしてきました。
一方で、渉はその約束をすっかり忘れており、夫婦間の認識のズレが物語の核となっています。
このドラマは、離婚の是非を問うのではなく、「夫婦がどうすれ違い、どう向き合うのか」を描くことに焦点を当てています。
マンション住人たちとの絆が深まる一夜の出来事
ストーリーの大きな転機となるのが、台風の夜に住人たちが一堂に会する“避難パーティー”です。
普段はあいさつ程度しか交わしていなかった彼らが、志保の手料理を囲みながら本音を語り合う夜は、ドラマの核心を象徴しています。
この一夜をきっかけに、住人たちはそれぞれの抱える問題や悩みを少しずつ打ち明け始めます。
- 老夫婦の隠された葛藤
- 同性カップルの未来への不安
- 子育てを終えたあんの再出発
笑いあり、涙ありの“静かな奇跡”が起きた夜は、今後の展開を大きく左右するカギとなります。
家族・カップル・老夫婦…三世帯の物語が交差する構造
本作のユニークな点は、「3つの世帯」という構造が、各世代・立場の視点から「生き方」や「家族のかたち」を映し出している点です。
| 世帯 | 主な登場人物 | テーマ |
| 小倉家(3階) | 渉・あん・ゆず・順 | 結婚・離婚・親子関係の再構築 |
| 樋口&高村(2階) | 奈央・志保 | 同性カップルとしての未来設計 |
| 永島夫妻(1階) | 慎一・さとこ | 老後の夫婦関係と役割の逆転 |
世代も関係性も異なる3組の暮らしが、互いに刺激し合いながら変化していく様子が、視聴者の共感を呼んでいます。
『小さい頃は神様がいて』あらすじ完全ガイド(全話ネタバレつき)最終回まで
1話あらすじネタバレ
物語は、ユーミンの名曲「やさしさに包まれたなら」が流れる中、主人公・小倉渉と妻・あんの人生を振り返るシーンから始まります。この曲は、ドラマのタイトルにもリンクしており、視聴者の心をすっと物語に引き込んでいきます。
長年コツコツ努力してきたにもかかわらず、なかなか報われない日々を過ごしてきた2人。その始まりは、大学の合格発表の日でした。第一志望に合格し喜びを爆発させた渉は、偶然隣にいたあんに勢いあまって抱きついてしまいます。当然のようにビンタされて、最悪の出会いから物語はスタートします。
しかし、その出会いがきっかけで2人は距離を縮め、交際が始まります。渉は食品メーカーへ就職し、2人はやがて結婚。新婚時代には、東京郊外の三階建てマンション「たそがれステイツ」の301号室を見学しながら、未来に胸をふくらませていました。
あんは会社勤めを続けながらも、高く評価されていましたが、妊娠を機にキャリアを中断し、専業主婦になることを決意します。やがて子どもが生まれ、家庭中心の生活が始まりますが、育児の大変さに押しつぶされそうになる場面もあったようで、回想シーンでは赤ちゃんを抱えながら泣き崩れる彼女の姿が印象的に描かれます。
それから20年近くが経ち、小倉家には2人の子どもが立派に成長しました。
| 家族構成 | 役名 | 特徴 |
|---|---|---|
| 父 | 小倉 渉(北村有起哉) | 不器用ながらも真面目な父親 |
| 母 | 小倉 あん(仲間由紀恵) | 家庭に全力を注いできた元キャリア女性 |
| 長男 | 順(小瀧望) | 消防士として自立、真面目で優しい性格 |
| 長女 | ゆず(近藤華) | 映画監督を目指す大学生、夢に向かって奮闘中 |
一見、どこにでもある幸せな家族。しかし物語は、日常の奥に潜む“すれ違い”や“心の揺れ”を少しずつ浮かび上がらせていきます。
マンションの他の住人たちもまた、個性豊かで魅力的です。
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101号室:永島慎一(草刈正雄)と妻・さとこ(阿川佐和子)の熟年夫婦。地域活動にも積極的な模範的カップルですが、さとこには夫へのちょっとしたモヤモヤがあるようです。
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202号室:樋口奈央(小野花梨)と高村志保(石井杏奈)の女性同士のカップル。シンプルな生活を楽しみながらも、過去の偏見と戦ってきた歴史が語られます。
そんなある日、大型台風が東京を直撃。氾濫の危険に備えて動く慎一の姿を見て、渉は「助け合いが大事」と提案し、住人たちは小倉家に避難して一晩を共にすることになります。
この夜、普段は軽い挨拶程度の関係だった住人たちが、初めて本音を語り合う時間を持つのです。
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あんは、「小倉あん」という名前で子どもの頃からからかわれてきた辛さを打ち明けます。
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さとこは、「本当は自分がモテていたのに、“モテ男と結婚できたんだから我慢しろ”と周囲から言われてきた」と、女性としての複雑な感情を語ります。
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奈央と志保は、同性カップルとして暮らすことの難しさや、前に住んでいた物件での辛い経験を振り返りながら、「ここは本当にやさしい人たちばかりで居心地が良い」と笑顔で語ります。
そんな温かい雰囲気のなか、志保が作ったメキシコ料理を囲み、会話と料理が夜を優しく彩っていきます。
夜が明け、台風が過ぎ去った朝。住人たちは屋上で朝食を楽しみます。晴れ渡る空の下、何気ない空気の中で、渉がぽつりと一言。
「子どもが20歳になったら、離婚でもしようかって話してた時期もあったな」
軽い冗談のつもりで発したその言葉に、あんの顔が一瞬こわばります。誰も何も言わなかったものの、その場の空気がわずかに揺らぎ、全員が何かを感じ取ったような沈黙が流れます。
その夜、あんは渉に静かに語りかけます。目を見据えて伝えたのは、想像を超える事実でした。
「あなたが言った“離婚の約束”、私はずっと本気で信じてたの。ずっと、それを目標に生きてきたのよ」
そう言って、彼女がスマホの画面を差し出すと、そこには「あと54日」と表示された離婚までのカウントダウンが。
驚く渉の表情が、これまで積み上げてきた“家族のかたち”が、実は2人の間でまったく違う意味を持っていたことを物語っています。
2話あらすじネタバレ
台風の夜、閉ざされた空間で深まる住人たちの絆
激しい台風が直撃したある晩、東京郊外の三階建てマンション「たそがれステイツ」の住人たちは、3階に暮らす小倉家の一室に身を寄せ、嵐が過ぎ去るまでの時間を共に過ごします。普段は顔を合わせても軽く挨拶を交わす程度だった彼らが、ひとつ屋根の下で夜を明かすことで、少しずつ距離が縮まっていきました。
その静かな夜、妻・あん(仲間由紀恵)は夫・渉(北村有起哉)に向かって、かつて交わした「子どもが成人したら離婚する」という約束を、今も本気で守るつもりだと打ち明けます。息子・順(小瀧望)はすでに成人しており、娘・ゆず(近藤華)が20歳になるまで残り54日。突然の告白に、渉は言葉を失います。
外に飛び出した夫婦がぶつけ合う本音
娘に気づかれないようにと、小声で言い争いながら家を出た2人は、車に乗り込んで外へ向かいます。その様子を、2階の樋口奈央(小野花梨)と高村志保(石井杏奈)、1階の永島慎一(草刈正雄)と妻のさとこ(阿川佐和子)は、それぞれ静かに見守っていました。
洗車場に車を停めた渉とあんは、周囲を気にせず激しい口論を交わします。渉は「突然すぎる」と動揺を隠せず、一方的な決断に戸惑いを見せますが、あんは「19年前に話した通り」と語り、その気持ちは今も変わっていないと冷静に答えます。
渉は経済的なことや家族の現状を理由に説得を試みますが、あんの意志は固く、離婚は“もう決めたこと”だと言い切ります。言い争いの合間、2人は無言で洗車を始め、無心で車を磨く時間が不思議と冷静さを取り戻させていきます。
夜明けが近づいた頃、渉が買ってきたたい焼きを2人で分け合いながら食べる姿は、どこか懐かしい夫婦の姿を思い出させます。渉の脳裏には、育児に疲れ泣きじゃくっていた若き日のあんがよみがえっていました。
別の夜、別の出会い──奈央と志保のささやかな希望
そのころ、奈央と志保は夜の散歩に出かけていました。歩き慣れたルートではなく、ふと思い立って違う道を選んだ2人。ふと目に入ったリサイクルショップのウィンドウには、理想の形をしたキッチンカーが展示されていました。
2人にとって、キッチンカーを使ったお店を持つことは長年の夢。しかし、提示されていた金額は約150万円。希望と現実のギャップに、思わず立ち尽くしてしまいます。
翌朝、気まずい食卓とすれ違う気持ち
翌朝、小倉家の食卓には、台風一過の穏やかな空とは裏腹に微妙な空気が漂っていました。渉は妙にテンションが高く、軽い冗談を飛ばしては、空回りしてしまいます。ゆずが夜に出かけると聞いた渉は、あんと2人きりになるのを避けたくて、顔を曇らせます。
その後、出社した渉は、会社で偶然会長(角野卓造)と昼食をともにすることに。会話は自然と昔話へと流れ、懐かしい社歌を歌うなど和やかなムードに。ところが会長に妻のことを聞かれた渉は、思わず離婚の約束について話してしまい、会長は思いがけず大笑いするのでした。
住人が再び集う夜、明かされる本当の想い
その日の夕方、住人たちは再び永島家に集まりました。「またみんなで集まりたかったんだ」と微笑む慎一に、あんは感謝の言葉を伝えます。実はこの会の裏には、渉の思惑がありました。あんと2人きりになりたくなかった彼が、慎一に頼んで場を作ってもらっていたのです。
その理由に気づいたあんに、さとこは静かに問いかけます。「それは…離婚の話があるから?」と。奈央と志保もそっと頷き、渉はその場にいた全員が“知っていた”ことにショックを受けます。あんは、皆の前で改めて離婚の意思を伝えました。
「嫌いだから別れたいわけじゃない」というあんの言葉に、渉はますます混乱します。夫婦としてのすれ違いは、言葉では語りきれないほど深く、複雑なものでした。
奈央と志保は、夫婦の問題に自分たちが同席していいのかと尋ねますが、「ここにいて」と言われます。しかし渉の「2人とは恋愛にならないから気楽」という不用意な一言に、奈央と志保は思わず顔を引きつらせます。
子どもたちは──もう、気づいている
あんは、「子どもたちにはまだ話していない。自分から伝えるまでは黙っていてほしい」と告げます。しかしその頃、ファミレスで話すゆずと順の姿がありました。
ゆずは、前夜に2人の話を聞いてしまっていたことを兄に打ち明けます。驚くことなく話を聞いた順は、子どもの頃に母が泣きながら「離婚したい」と言っていた場面をはっきりと覚えていました。
そのときから、「お母さんを守りたい」と心に決めていた順。彼は自然と“良い息子”を演じ続けてきたことに気づきながらも、穏やかに微笑みます。
真実の理由、そして決意
永島家で料理を囲む中、渉は再びあんに離婚の理由を問いかけます。「自分が嫌いだからなのか?」と。
あんは「あなた自身が嫌なのではない」と否定し、「子どもたちは本当に愛している。でも、私はずっと“母”としてだけ生きてきた。もう一度、自分を取り戻したい」と声を震わせます。
「子どもが大人になったら、自分を取り戻すって決めていた。だから生きてこられた」と語るあんの覚悟は本物でした。優しく寄り添うようにさとこがあんを抱きしめる中、渉はその言葉にただ黙って立ち尽くすしかありませんでした。
3話あらすじネタバレ
永島家の集いとあんの本心──言葉にした「母ではない私」への願い
「たそがれステイツ」の1階に暮らす永島慎一(草刈正雄)とさとこ(阿川佐和子)のもとに、再び住人たちが集まりました。その中心で、小倉あん(仲間由紀恵)は、自身の離婚に対する思いを口にします。
あんは、夫・渉(北村有起哉)の人柄を否定するのではなく、「ずっと“母親”としてしか生きてこなかった自分を終わらせたい」と語ります。そして改めて、渉に対して離婚の意志を正式に伝えます。
一同は渉の反応に静かに耳を傾けますが、渉は黙ったまま。気まずい沈黙が場を支配します。
さとこが空気を変えようと慎一に話を振りますが、突然話題をふられた慎一は全く的外れなことを話し、逆に緊張をほぐすきっかけとなりました。
やっと口を開いた渉に対して、さとこは再度「どう思っているのか」と尋ねます。しかし渉は答えに詰まり、返答に迷うばかり。そんな中、あんのスマホに娘・ゆず(近藤華)から「朝まで帰れない」とメッセージが届きます。
2人きりの時間を避けるため、住人たちは男女でそれぞれ分かれて夜を明かす提案をし、それが自然に受け入れられました。
夜の語り──渉と慎一、あんと3人の女性たちの対話
3階の小倉家では、渉と慎一が言葉を交わしていました。
渉は、あんの気持ちを理解しようとしている自分と、離婚を受け入れたくない気持ちの狭間で揺れていると語ります。そして、あんがどれだけ家族のために尽くしてきたかを思い返し、なぜその思いに気づけなかったのかと後悔をにじませます。
それを聞いた慎一も、自身の過去を振り返ります。家庭を顧みず、仕事に没頭してきた日々。今は「家族への償いとして残された時間を生きている」と静かに漏らします。
慎一のその言葉に渉は、「離婚という選択が、あんにとっての救いなのか」と深く考え込むのでした。
一方、あんはさとこと共に、奈央(小野花梨)と志保(石井杏奈)の部屋を訪問。テントの中でくつろいだり、写真を見て談笑したりと、穏やかな時間を過ごします。
会話の中で、奈央と志保はそれぞれの親について語り合います。志保の母はシングルマザーで3人の子を育て上げ、奈央の存在も受け入れてくれているのに対し、奈央の両親は志保との関係を否定的に受け止め、「気持ち悪い」と拒絶したといいます。
「母は私に関心がない」と語る奈央に、あんは自分の母親を重ねていました。
渉の涙、あんのまなざし──ラジオ体操の朝
深夜、あんは志保から「なぜ離婚を考えているのか」と尋ねられます。「渉のどんなところが好きだったのか」と問われたあんは、「よく泣くところ」と答えます。「泣ける人は信頼できる気がする」と言い、しみじみと語りました。
同じ頃、渉も慎一にあんとの出会いを話していました。大学の合格発表の日、歓喜のあまりあんに抱きついてビンタされた思い出。そんな激しさを持つあんと過ごすと、自分が成長できる気がすると語ります。
慎一は言います。「男にとって家は“城”かもしれない。でも、女性にとっては“牢獄”に感じることもある。自由を奪われた場所であることもある」と。
朝になり、慎一に誘われて渉はラジオ体操へ。少し遅れてあん、さとこ、奈央、志保も到着し、顔を合わせた渉とあんは気まずそうに視線を交わします。
かつて子どもたちと一緒にラジオ体操に通っていたことを思い出し、感情があふれた渉は体操中に突然涙をこぼし、「離婚しよう!」と叫びます。
「愛しているから別れる。離婚まで仲良くいよう」と言葉を続けた渉に、あんは戸惑いながらも、その想いを受け止めます。
その様子を、少し離れた場所で見つめていたのは娘・ゆずでした。
ゆずの涙、順の支え──家族の変化を見つめながら
ゆずは、兄・順(小瀧望)に離婚について相談していました。両親のやり取りを目撃していたゆずは、ショックを隠しきれません。
順は、自分が幼い頃にあんが泣きながら「別れたい」と語っていた姿を覚えていると言います。「だから、自分が母を守ろうと思った」と語り、にこやかに「もう大丈夫」と妹を励まします。
ゆずはその言葉を噛みしめながら、ラジオ体操を終えて戻る両親の姿を見つめ、静かに涙を流して立ち去ります。
動き出す日常、そして新たな決意
翌朝、ゆずは「ショートムービーのコンクールに出す」と渉とあんに宣言します。発表日は52日後、つまり彼女の誕生日です。その日を、自分の転機にもしたいという強い意志が込められていました。
一方、順はあんを外に誘い、仕事での出来事や、自分が専門誌の表紙を飾った話を披露します。「母さんが思う以上に、俺はちゃんとやってるから安心して」と、優しく笑って語る順の言葉に、あんはそっと微笑みます。
そのころ、奈央と志保は仕事帰りに待ち合わせていました。奈央は職場でのトラブルに巻き込まれたことを志保に打ち明け、思わず子どものようにしがみつきます。志保は彼女を優しく抱き寄せました。
帰り道、2人はふとキッチンカーが展示されていたリサイクルショップの前を通りかかります。夢に見た車のウィンドウには、「ご成約済み」の貼り紙が。
2人は一瞬、言葉を失い、その場に立ち尽くしました。
永島家からの電話と、静かな旅立ち
その夜、永島家の電話が鳴り響きます。さとこが受話器を取ると、何かを聞き、慎一と目を合わせました。
翌朝、慎一とさとこは荷造りを済ませ、小倉家を訪ねて数日間出かけると伝えます。理由は語らず、さとこの不安げな手をあんが静かに握りしめます。
2人は車に乗り込み、「たそがれステイツ」をあとにしました。残された住人たちは、またそれぞれの思いを胸に、新たな朝を迎えていきます。
4話あらすじネタバレ
「たそがれステイツ」に帰ってきた永島慎一(草刈正雄)とさとこ(阿川佐和子)。そして一緒に暮らし始めることになった孫の凛(和智柚葉)と真(山本弓月)のために、住人たちは「お帰り&ようこそパーティー」を開く。凛と真が寝たあと、小倉渉(北村有起哉)とあん(仲間由紀恵)の息子・順(小瀧望)は、消防士になった理由などを一同に打ち明ける。その話を聞いて、何かが引っかかるあん。
翌朝、慎一は気持ちがふさぎ込んでしまっていた。さとこは発破をかけるが、表情が優れないままラジオ体操に向かう慎一。そこへ「たそがれステイツ」の住人たちがにぎやかにやってくる。さとこが力強く声をかけ、慎一の顔にはようやく笑顔が。元気にラジオ体操をする一同。一方、樋口奈央(小野花梨)と高村志保(石井杏奈)の映画を撮ることにしたゆず(近藤華)は、二人に一日密着する。
あんはその日の夜、同窓会があることを思い出す。「行けばいいじゃん」と軽く言う渉をにらみ付けるあん。その後、同窓会にまつわる女性の心情について会社で話を聞いた渉は、同窓会から帰ってきたあんに声をかけるが…。
そんな中、翌朝さとこが起きると、凛が突然姿を消してしまい…!?
引用元:公式サイト
マンション「たそがれステイツ」の1階に暮らす永島慎一(草刈正雄)と妻のさとこ(阿川佐和子)は、思いがけない急用で家を不在にしていた。
その間、朝のラジオ体操の当番を引き継いだ小倉渉(北村有起哉)は、妻のあん(仲間由紀恵)に対して「離婚の件、わかっていますよ」と遠回しな言い方をしてしまう。その態度に、あんは不機嫌な様子を見せる。
2人は娘・ゆず(近藤華)には気づかれないようにと心掛けているつもりだが、実はすでにゆずは両親の関係に気づいており、どうしていいかわからず心を揺らしていた。
あんは屋上でさとこの代わりに植物の世話をし、渉は慎一が日課としていたマンション前の掃除を引き継いでいた。そんな渉のもとに、2階の住人・樋口奈央(小野花梨)と高村志保(石井杏奈)が姿を見せる。
一方、あんは水やり中にホースの水が作り出した虹を見つけ、下にいた3人を呼んでその美しさを一緒に眺める。あんはその様子を写真に収め、さとこに送信した。
あんは離婚話が出てからの渉の態度に不満を抱いていたが、うまく伝わらず、2人は娘に聞かれないよう車で外に出て話し合うことに。車内では、渉が過去にズレた発言をした例をあんが次々と指摘。渉はそれに耳を傾けたうえで、「離婚するなら、もう決めたほうがいい」と口にしてしまう。
その後、2人で焼き芋を分け合って食べた帰り道、あんのスマホにさとこから電話が入り、彼女の表情が一変。渉は無言であんの手を握り、寄り添った。
その頃、ゆずは兄・順(小瀧望)に電話し、両親の離婚について自分から話してもいいか相談していた。順は「今はその時じゃない」と諭す。電話を切ったゆずは、思わず「かっこよすぎる」とつぶやいた。
夜になり、あんは奈央と志保に小倉家へ来るよう声をかける。そして皆の前で、永島家に起こった悲劇を明かした。慎一とさとこの一人娘・妙子とその夫が事故で命を落としたという。
家族会議の結果、2人の子どもである凛(和智柚葉)と真(山本弓月)は、祖父母である永島家に引き取られることが決まった。さとこは、孫たちを明るく迎える手助けをしてほしいと、あんに依頼していた。
パーティの準備は早速始まり、奈央と志保はアルバイトの予定を調整。渉は、自分の勤める会社が凛の好きなキャラクターとコラボしていることを思い出し、グッズの調達に動く。
その途中、渉は再びマンションの会長(角野卓造)と出会い、ランチを共にすることに。会長は自身もかつて妻から離婚を望まれた経験を明かし、さらに主婦業の“退職金”を請求されたエピソードを披露。戸惑いつつも応じようとした矢先、自身の病気が発覚し、結果的に離婚は叶わなかったと語る。
迎えたパーティ当日、順も加わり、住民たちは総出で準備を進める。奈央と志保に順が話したのは、実はゆずが2人を題材に映画を作ろうとしているということ。しかし、それはまだ本人たちには内緒だったため、ゆずは慌てる。
ゆずがあらためて出演をお願いすると、奈央と志保は驚きながらも了承。ゆずは喜び、順も安心する。
やがて、慎一・さとこ夫妻と、凛・真の兄妹がたそがれステイツに帰ってくる。住人たちはクラッカーで盛大に出迎えた。
順は真のために消防車のおもちゃや子ども用の消防服を用意し、渉は凛にキャラクターグッズをプレゼント。子どもたちの笑顔を見たさとこは、感謝の気持ちをあんに伝える。
しかしその直後、消防服を着た真が「ママに見せたい」とぐずり出し、空気が一変。すると凛が「弟はまだ、母が亡くなった意味がわかっていない」と頭を下げ、一同の胸を打つ。
さとこは子どもたちを寝かしつけながら、自分の役割は凛を急いで大人にさせないことだと語った。そして皆に感謝の気持ちを伝える。
一方、慎一は沈んだ表情を崩さずにいた。これまで子や孫と接してこなかったため、どう関わればよいか分からず、戸惑いを抱えていたのだ。
そんな重い雰囲気を一変させたのは、突然出た渉のしゃっくり。どうしても止まらないその音に、ついに皆が笑い出す。こうして、新しい家族を迎えた夜は、あたたかな笑いの中で静かに更けていった。
5話あらすじネタバレ
「たそがれステイツ」に帰ってきた永島慎一(草刈正雄)とさとこ(阿川佐和子)。そして一緒に暮らし始めることになった孫の凛(和智柚葉)と真(山本弓月)のために、住人たちは「お帰り&ようこそパーティー」を開く。凛と真が寝たあと、小倉渉(北村有起哉)とあん(仲間由紀恵)の息子・順(小瀧望)は、消防士になった理由などを一同に打ち明ける。その話を聞いて、何かが引っかかるあん。
翌朝、慎一は気持ちがふさぎ込んでしまっていた。さとこは発破をかけるが、表情が優れないままラジオ体操に向かう慎一。そこへ「たそがれステイツ」の住人たちがにぎやかにやってくる。さとこが力強く声をかけ、慎一の顔にはようやく笑顔が。元気にラジオ体操をする一同。一方、樋口奈央(小野花梨)と高村志保(石井杏奈)の映画を撮ることにしたゆず(近藤華)は、二人に一日密着する。
あんはその日の夜、同窓会があることを思い出す。「行けばいいじゃん」と軽く言う渉をにらみ付けるあん。その後、同窓会にまつわる女性の心情について会社で話を聞いた渉は、同窓会から帰ってきたあんに声をかけるが…。
そんな中、翌朝さとこが起きると、凛が突然姿を消してしまい…!?
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草刈正雄演じる永島慎一と、阿川佐和子扮するさとこが「たそがれステイツ」に戻ってきた。そして、一緒に暮らすことになった孫の凛(和智柚葉)と真(山本弓月)を歓迎するため、住人たちは温かい「おかえり&いらっしゃいパーティー」を開催した。
凛と真が眠りについた夜、順(小瀧望)は、なぜ消防士を志したのかを皆に語り始める。
子供の頃から周囲の目を気にしてばかりで、自分の中に「迷いのない道」を求めていたという順。勤務地を神奈川に選んだのも、両親に過剰な心配をかけずに済むようにという配慮からだったと話す。
その真摯な告白に、あん(田中麗奈)は何か胸に引っかかるものを感じる。一方、奈央(小野花梨)と志保(石井杏奈)は、順の繊細さに思わず心配になりつつも、自分たちが人を気にかけるようになった変化を前向きに受け止めていた。
明けて翌日——離婚成立まで残り33日。慎一は気持ちがふさいだまま「どうしていいかわからない」とつぶやく。
さとこはそんな彼に喝を入れるが、慎一の表情は重く、無言のままラジオ体操へと向かう。そんな彼のもとに、「たそがれステイツ」の住人たちが明るく現れ、さとこは力強く声をかける。「黙ってついてきて」。その一言で慎一の顔にようやく笑みが戻る。
そのころ、映画撮影を始めたゆず(近藤華)は、奈央と志保の1日に密着取材を開始していた。
一方のあんは、その夜に同窓会があることをふと思い出す。行くかどうか迷うあんに、渉(高橋一生)は軽く「行ってきたら?」と言うが、その無神経な言葉に思わずあんは睨みを利かせる。
その後、渉は社内の部下や会長に、女性が同窓会で感じる気持ちについて尋ね、あんが怒っていた理由を理解します。
そして、帰宅したあんを深夜のドライブに誘い、過去に自分が投げかけた心ない言葉を謝罪。「優しい旦那さんに、手のかからない子どもたち。あんは幸せそうだよね」と言われることが、心の奥でモヤモヤするというあんの言葉を、受け入れるのでした。
さらに次の日、離婚まで32日。朝起きたさとこが、凛の姿が見当たらないことに気づく。必死に探し回るさとこの呼びかけに、住人たちも加わり、マンション中で凛を探し始める。だが見つからず、不安が広がる。
凛はもしかしたらかつての自宅に戻ったのではないかと予想し、勤務を終えた順に連絡を取り、先回りを依頼する。順も連絡を受けて、一緒に探すことに。
やがて順は、高台にぽつんと座って遠くにある自宅を見つめる凛を発見する。
無事に凛が見つかったとの報告を受けたあんは、順の中にある「凛の気持ちに寄り添う感覚」の鋭さに引っかかる。
凛は、両親が亡くなったのに、大人の態度で子供らしくしていなかった。順も同じような子供だったのでは?と。
そして、もしかしたら、順はずっと前から「離婚」という未来を知っていたのではないか。そう考えた瞬間、あんは胸が締めつけられる。「私はなんてひどい母親なのかもしれない。笑顔の裏で、子どもにあんな苦しみを背負わせていたなんて……」。自責の念にかられながら、あんはそっと目を伏せるのだった。
6話あらすじネタバレ
「たそがれステイツ」の三階に住む小倉ゆず(近藤華)は、二階に住む樋口奈央(小野花梨)と高村志保(石井杏奈)の映画を撮っていた。子どもの頃から他人が苦手だった志保と、笑顔でいることで自分を守っていた奈央。二人は高校生の時に付き合うようになり、卒業後に一緒に上京して暮らし始めた。その話を笑顔で聞いていたゆずだが、二人の夢だったキッチンカーを買うのは難しいと知り、心を痛める。
小倉渉(北村有起哉)は順(小瀧望)とおでん屋へ。離婚については黙ったまま、楽しそうにおでんを食べる渉。一方、あん(仲間由紀恵)は順が幼い頃から離婚の約束を知っていたと確信し、やるせない気持ちになる。渉と順、あんとゆずはそれぞれの場所で、昔ゆずの学校行事で芝居を観に行ったことを思い出す。あるシーンで、客席の中で渉だけが号泣していた。それに気づいた他の観客が笑い出す中、あんは「何がおかしいんですか!」と怒ったのだった。当時のことを思い出した順とゆずは、それぞれの想いを明かす。
一階に住む永島慎一(草刈正雄)とさとこ(阿川佐和子)は、凛(和智柚葉)と真(山本弓月)の育児に疲れてソファで眠ってしまう。目を覚ました二人は部屋を片付ける気力もなく、散らかった部屋で酒を酌み交わす。そんな中、順はおでんパーティーを提案し、永島家に集まることに。和気あいあいと楽しんでいた一同だったが…。
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シェアハウス「たそがれステイツ」の3階に暮らす小倉ゆず(近藤華)は、1つ下のフロアに住む樋口奈央(小野花梨)と高村志保(石井杏奈)の日常をカメラに収めていた。
人付き合いが苦手だった志保と、明るい笑顔を武器に自分を守ってきた奈央。2人は小学校で出会い、再び会える日を心の支えにしながら過ごし、高校で再会。すぐに心を通わせて交際を始め、高校卒業後は一緒に上京して共同生活を送るようになった。
そんな2人のストーリーを笑顔で聞いていたゆずは、2人がキッチンカーを始めることを楽しみにしていると言います。しかし奈央と志保は購入費用がネックで実現が難しいと明かす。それを聞いたゆずは、胸が締めつけられるような思いに駆られる。
一方、小倉渉(北村有起哉)は仕事で小田原に出向いた際、順(小瀧望)を誘っておでんの屋台へ。順は、渉が何か話したいのではと察するが、渉は家庭の問題については語らず、ただ穏やかにおでんを味わっていた。
その頃、あん(仲間由紀恵)は、順が幼い頃から両親の離婚を知っていたのではないかという疑念を深め、やるせない気持ちを抱えていた。
ふと、落ち込んでいる様子のゆずを見かけ、声をかけるあん。ゆずは、奈央と志保がキッチンカーの夢を諦めたことを打ち明け、せっかくの映画がハッピーエンドにならないのは寂しいとつぶやいた。
渉や順、あん、ゆずたちはそれぞれの場所で、かつて学校行事で観た『ピーターパン』を思い出す。
あのとき、フック船長が子どもたちを海に落とすシーンで、客席で一人涙を流した渉。その姿を見て笑い出した観客たちに、あんが「何が可笑しいんですか!」と怒鳴ったエピソードを、順とゆずは懐かしく語り合う。
帰宅した渉は、プロポーズした日の記憶を思い返していた。
同じ頃、1階の永島家では、慎一(草刈正雄)とさとこ(阿川佐和子)が、凛(和智柚葉)と真(山本弓月)の世話で疲れて、育児の合間にうたた寝。目を覚ましたものの、部屋を片づける気力も出ず、そのままお酒を酌み交わしていた。
翌朝、子どもたちが学校へ向かうと、住人たちのスマートフォンに、凛と真の現在地が表示される。表示が一定の場所から動かなくなり不安が広がるが、2人は道端の猫に夢中になっていただけだった。
そんな中、順がおでんパーティを提案。彼が送った動画に影響された住人たちは、一気におでんモードに。
そして当日、永島家でおでんパーティが開かれ、順が用意したおでんにみんなが舌鼓を打つ。笑顔があふれるその光景を、順は静かに見守っていた。
パーティの席で、渉は奈央と志保に再びキッチンカーの夢について尋ね、「もしよければ、大人たちでサポートできないか」と申し出る。
しかし2人は、「支援を受けたら、これまでの関係性が変わってしまいそう」と申し出を丁重に断る。
それでも「自分たちの夢を本気で応援してくれる大人がいるだけで、十分生きていける」と、何度もお礼を口にした。
賑やかに宴が進むなか、ひとり浮かない表情のあん。凛と真が眠りについた後、大人たちは片づけを始める。
さとこは、凛と真は表では泣かないけれど、夜になると布団の中でこっそり涙を流しているようだと話す。
「子どもって、思ってる以上にいろんなことがわかってるのよ」と語るさとこの言葉に、あんは動揺し、手元の湯飲みを倒してしまう。
慎一から「何か話したいんじゃないか?」と促されるが、あんは言葉をのみ込んでしまう。
その沈黙を破ったのは渉だった。あんの気持ちがわかるような気がすると話し、あんの了承を得て順に問いかける。
「ずっと前から、離婚のこと知ってたんじゃないか?」
順は、それが事実であることを静かに認める。
あんは涙ながらに、自分のせいで順が常に気を遣う子に育ってしまったことを詫び、「そんな優しさを“天使”なんて言って喜んでいた」と悔やんだ。
順は明るく微笑みながら、「自分のことも家族のことも好きだから、気にしないで」とあんを励ます。
その隣で、あん以上に涙を流していたのは渉だった。
時計の針が0時を回る頃、小倉家の全員のスマホに通知が届く。
そこには、離婚までのカウントダウン――「あと20日」の文字が表示されていた。
7話あらすじネタバレ
「たそがれステイツ」の一階の永島家で開かれたおでんパーティーの席で、小倉順(小瀧望)は小さい頃から離婚の約束を知っていたことを渉(北村有起哉)とあん(仲間由紀恵)に打ち明ける。涙が止まらない二人。三階に戻った小倉家はリビングで話をする。あんはゆず(近藤華)にいつ離婚のことを知ったのかを尋ね、彼女の二十歳の誕生日に離婚すると決めていたことを謝る。そして、渉とあんは二人に今の胸の内を正直に伝える。その後、寝室で渉はあんに離婚後のお金についてのメモを渡し、離婚後にあんが貧しくなるのは絶対に嫌だと伝える。
キッチンカーを購入したかった樋口奈央(小野花梨)と高村志保(石井杏奈)は、リサイクルショップの店員に手付金を支払ったが、現実的に自分たちの収入では購入は難しいと考え、断念することを店員に伝える。それを見ていたゆずは一日だけキッチンカーを借り、「たそがれステイツ」一同が出演する映像作品を作ることに。カオスながらも笑顔が絶えない現場を、てきぱきと懸命に仕切るゆず。撮影した動画を編集したゆずは、さっそく奈央と志保に見てもらう。
一方、渉から大事な書類を忘れてきたから会社まで届けてほしいとのメッセージを受け取るあん。渉は会議中でデスクにおらず、あんは渉の部下・山崎(高田夏帆)に書類を渡す。しかしその書類は特に重要なものではなく…。
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「たそがれステイツ」1階の永島家で開かれたおでん会の席にて、小倉順(小瀧望)は、幼い頃から両親の離婚を知っていたことを渉(北村有起哉)とあん(仲間由紀恵)に静かに打ち明ける。その言葉に、2人は思わず涙をこぼす。
3階に戻った小倉家では、家族でリビングに集まり、改めて話し合いの場が設けられる。
あんは娘・ゆず(近藤華)に、いつ離婚の事実を知ったのかを問いかけ、自分たちがゆずの20歳の誕生日に離婚することを以前から決めていたと明かして謝罪。夫婦それぞれが、今の正直な気持ちを子どもたちに伝える。
渉は、子育てに追われていた頃のあんの大変さを、ようやく今になって理解できるようになったと語る。あんもまた、「約束があったからこそ、子育てを楽しむことができた」と振り返り、当時の自分との約束を守るためにも離婚を決意したと話す。家族4人は、過去の思い出を懐かしみながら、穏やかな時間を共有する。
その晩、渉は寝室で離婚後の生活費についてまとめたメモをあんに渡し、「君に苦労はさせたくない」と真剣な表情で告げる。
一方、樋口奈央(小野花梨)と高村志保(石井杏奈)は、自分たちの収入ではキッチンカーの購入が難しいと判断し、リサイクルショップの店員に断念する旨を伝える。
そんな中、どうしても奈央と志保の映像作品をハッピーエンドで仕上げたいゆずは、店を訪ねて「1日だけでもキッチンカーを借りられないか」と交渉する。
ゆずは、住人たちをキャストに起用し、キッチンカーを舞台に短編映画の撮影をスタート。現場は混沌としながらも笑顔にあふれ、彼女はその中でしっかりと采配を振るう。
完成した映像を奈央と志保に見せると、2人は感動して涙ぐみ、ゆずに感謝の言葉を伝える。その場でゆずは、自身の過去を打ち明ける。
かつての親友・ゆかの影響で映画監督を目指したゆず。ある日、ゆかから「好きだ」と告白され、それが友情ではなく恋愛感情だと知ったゆずは動揺し、思わず彼女の手を払いのけてしまった。それ以降、2人は会っていない。ゆずの胸の内を聞いた奈央と志保は、静かに寄り添い慰める。
ある日、渉から「大事な書類を届けてほしい」と連絡を受けたあんは、渉の職場を訪れる。渉は会議中で不在のため、あんは彼の部下・山崎(高田夏帆)に書類を託すが、それは特に重要なものではなかった。
会議が終わるまでの間、あんと山崎は渉について互いに知っている話を共有する。山崎によれば、渉は「本当は妻も働いた方がいいのでは」と漏らしていたという。
会議を終えた渉は急いで戻り、あんと社員食堂で定食を一緒に食べる。渉は「妻と会社でランチするのが夢だった。離婚前に叶えておきたかった」と笑う。あんはそれに苦笑しつつも、共に過ごした日々を思い返す。
渉の内定が決まった日。あんが妊娠し、退職を選んだとき。渉が営業に異動し、あんの育児が限界に達した日々。それぞれの記憶が交差しながら、定食を口に運ぶ。
後日、あんが永島家を訪ねると、慎一(草刈正雄)とさとこ(阿川佐和子)、孫の凛(和智柚葉)と真(山本弓月)がクッキー作りをしていた。そこへ渉も加わり、和やかなティータイムが始まる。
やがて、凛と真がままごとを始め、大人たちは微笑ましく見守る。子どもたちが、性別にとらわれず家事や育児を分担する様子を見て、慎一とさとこは妙子夫婦の姿を思い浮かべ、感極まる。
そして、凛と真が渉とあんに「交代ね」と声をかける。最初は戸惑いながらも、2人はままごとを始める。渉が料理を作り、あんが仕事へ出かけるという設定。家事や育児に追われる渉に、あんが「一緒にやろう」と声をかけ、協力し合いながら進めていく。
それは、かつて実現できなかった「理想の家庭」の形。渉は涙をこらえきれず、あんもまた静かに泣きながら、2人でぬいぐるみの赤ちゃんの世話をする。
その頃、奈央と志保のもとにリサイクルショップの店員から連絡が入る。「購入ではなく、月々の負担が少ないレンタル契約にしませんか」と提案を受けた2人は、「家族のような仲間に相談してからでもいいですか」と答え、急いで帰宅。
マンションに戻ると、皆に提案内容を報告。「ゆずがつけてくれた“ハッピーエンド”が、現実まで変えてくれた」と感謝する2人。
その中で、凛がひとこと。「その人、本当に信じていいの?」と冷静に問いかける。一同は慎重にリサイクルショップへ向かい、店員の様子を確認。最終的に全員で「よろしくお願いします!」と頭を下げるのだった。
8話あらすじネタバレ
小倉渉(北村有起哉)は、あん(仲間由紀恵)と結婚した時に仲人をお願いした会社の先輩が定年退職を迎えるということで、そのお祝いの飲み会から酔っ払って帰ってくる。翌朝、二日酔いで起きてきた渉は、あんから何気なく一枚の紙を渡される。それは離婚届だった。動揺し、紙の上にコーヒーをこぼす渉。大事な書類なので軽く渡さないでほしいと訴える渉に、反論するあん。
樋口奈央(小野花梨)と高村志保(石井杏奈)は、リサイクルショップの店員に提案され、キッチンカーをレンタルして新しく事業を始めることに。今まで働いていたスーパー銭湯を退職する二人に、小倉家をはじめ「たそがれステイツ」の永島慎一(草刈正雄)やさとこ(阿川佐和子)たちはサプライズでパーティーを企画していた。
一方、あんは離婚後に住む部屋をすでに借りており、採寸に行ってくると話す。何も知らなかった渉は驚き、自分も行くと申し出る。そこへ現れたゆず(近藤華)も同行すると言い、さらにゆずから聞いた順(小瀧望)も合流することに。戸惑うあんだが、小倉家一同であんの新しい部屋を見に行くことになり…。
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9話あらすじネタバレ
永島さとこ(阿川佐和子)は、小倉あん(仲間由紀恵)に「今も離婚したい?」と尋ねる。離婚の約束が公になってから、小倉家がどんどんステキな家族になっているように見えると言うさとこに、あんは同意しつつも、今は良くてもこの先の人生で後悔すると思うと話す。樋口奈央(小野花梨)と高村志保(石井杏奈)も、それぞれ気になっていたことをあんに質問する。
一方、永島慎一(草刈正雄)も小倉渉(北村有起哉)に離婚するのかと改めて尋ねる。渉は、自分は別れたくないがあんがそうしたいならすると話し、それはあんにとって重要だった約束を軽んじていたことへの自分なりの罪滅ぼしなのだと語る。小倉順(小瀧望)とゆず(近藤華)は、両親の離婚に向けてファミレスで打ち合わせをしていた。ゆずは、自身の誕生日に発表される映画コンクールの選考について順に相談する。入選して両親に安心してもらおうと思っていたゆずだが、自分の学校の先生で、ゆずにとっての天敵が審査員になったと話す。落選を確信したゆずは、大切な一日が残念なスタートになってしまうのではと不安な気持ちになり…。
渉はあんに、家にある物の中で新居に持っていく物を選別しないのかと尋ねる。一つひとつの家具や道具について、選別しながら思い出を語り合いたいと言う渉に、苦笑するあん。そして数日後。ゆずの誕生日、すなわち渉とあんが離婚する日がついにやってきて…。
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離婚前夜、家族のかたちを見つめ直す——それぞれの想いと選択
永島さとこ(阿川佐和子)は、小倉あん(仲間由紀恵)に問いかけます。「今でも、本当に離婚したいと思ってるの?」
さとこの目には、最近の小倉家が以前よりもずっと仲良く見えていて、家族として良い雰囲気に包まれているように思えたのです。
あんもその感覚には共感しながらも、今の家族の落ち着いた関係性は、「離婚」という区切りがあるからこそだと打ち明けます。今は穏やかに過ごせているけれど、将来を考えるとやはり不安や後悔がよぎるとも。
ただ離婚しなければ、後悔するはずだと。
樋口奈央(小野花梨)はあんに問いかけます。もしも台風の日に、小倉渉(北村有起哉)が「子どもが大きくなったら別れるつもりだった」と言わなかったら、それでも離婚を決意していただろうかと。
あんはその言葉に心を揺さぶられながらも、あの日の発言が自分の覚悟を固めたと明かします。
同じ頃、永島慎一(草刈正雄)も渉に直接、離婚について再確認していました。渉は、できれば別れたくないという本音を見せつつも、「あんが望むなら、そうする」と答えます。それは過去の自分が、大切な約束を軽視していたことへの反省の気持ちからでした。
渉は、新生活に向けて家の荷物の整理をしようとあんに提案しますが、あんは「持っていくものはほとんどない」と静かに返します。本当は、家具ひとつひとつに思い出を語り合いたいと願っていた渉。その思いはあんには伝わりませんでした。
そんな中、あんのお気に入りのフェイスクリームを渉が無断で使っていたことが発覚し、2人は思わぬ口論に。
そして、カレンダーに記された「離婚まであと1日」の文字が、静かに現実を突きつけます。
その夜、渉は会社の会長(角野卓造)に「自分たちは離婚することに決めた」と伝えます。離婚の行方に賭けていた会長は、複雑な面持ちでそれを聞き入れ、渉とともに社歌を歌い上げるのでした。
子どもたちの決意と想い
一方、順(小瀧望)とゆず(近藤華)はファミレスで、両親の離婚後の段取りについて真剣に話し合っていました。
そんなゆずは、自分の誕生日に発表される映画コンクールの結果に心を寄せていました。両親に少しでも前向きな気持ちで離婚を迎えてもらえるよう、入選を目指していたのです。ところが、審査員の中に自分のことがおそらく嫌いな学校の先生がいると知ったゆずは、一気に不安に襲われます。
その夜、居酒屋で飲んでいた奈央と高村志保(石井杏奈)は、偶然通りかかった渉と合流。渉は2人が準備しているキッチンカーの進捗を尋ねます。2人は、憧れだったキッチンカーの運営者に直接アドバイスをもらったこと、運営の難しさも聞いたうえで覚悟を決めたことを語ります。
渉が台風の日に寄り添ってくれたことが転機になったと明かし、感謝の言葉を伝える2人。その成長に、渉も笑顔を見せました。
そして、離婚の日
運命の日。ゆずは映画コンクールの結果が気になって仕方ない様子。しかし、確認は順が到着してからにしたいと告げます。到着した順は、ゆずに「だめだったらしい」と伝え、彼女を気遣います。
一瞬、落選したかと思われましたが、公式サイトで確認すると、ゆずの作品は受賞には届かなかったものの、審査員の講評に名前が挙がっており、高評価を受けていたことが判明。
しかもその講評を書いた人物は、ゆずが嫌われていると思っていた学校の先生でした。
意外な形で評価されたことに、一同は拍手と笑顔でゆずを祝福します。
そのまま、ゆずの誕生日と両親の“卒婚”を祝うパーティが開かれます。順とゆずは、これからは自分たちが両親を見守っていくこと、2人にはちゃんと幸せになってほしいこと、もし不幸になったら離婚を無効にすることなどを誓いとして手紙に込め、渉とあんに渡します。
「渉さん」「あんさん」と呼びながら、涙がこぼれる4人。ケーキを囲み、笑いと涙が混じり合う、忘れられないひとときが過ぎていきます。
新しい朝、別々の道へ
翌朝。静かに目を開けたあんは、眠る渉とゆずを見つめてそっと部屋を後にします。実は2人とも目を閉じながら、あんの気配を感じていました。それぞれが静かに涙を流します。
玄関に降りると、さとこや慎一が見送りに。2階の窓からは奈央と志保が「大好きだよ」と声をかけます。あんはみんなに見送られながら、新しい一歩を踏み出します。
歩きながら、あんは以前志保に言われた「一人になるって怖くないですか?」という言葉を思い出します。胸に小さな不安を抱えながらも、彼女は前へと進みます。
その頃、渉もかつて交わしたあんとの約束を思い出していました。「何かを成し遂げたい。それを思い出させて」と語っていたあんの言葉。さらに「これから先、もし私が“別れたい”って言ったとしても、それは嘘だから信じないで」と語っていたあんの真意を思い出し、後悔が押し寄せます。
思わずパジャマ姿のまま外に飛び出す渉。しかし、走り続けるうちに力尽きて倒れ込みます。家へ戻ると、リビングでゆずと鉢合わせに。互いに言葉少なに朝食を準備し、静かに食卓を囲む2人。
親子の新たな時間が、ぎこちなくも、少しずつ始まっていました。
10話あらすじネタバレ
小倉渉(北村有起哉)とあん(仲間由紀恵)はついに離婚し、あんは「たそがれステイツ」を出て行った。それぞれに寂しさを感じながらも、「たそがれステイツ」の一同はいつものように集まって会話に花を咲かせる。永島慎一(草刈正雄)とさとこ(阿川佐和子)のなれ初めの話を興味深く聞いていた一同だが、渉が「ハッピーエンドだね」と言うと、部屋は静まり返ってしまう。小倉ゆず(近藤華)は、ここにいる全員が渉を気遣い、あんの話をしないようにしているのだと話す。気にせずに話をしてほしいという渉の言葉を聞き、一同、あんの話で盛り上がり…。
キッチンカーのオープン日が決定した樋口奈央(小野花梨)と高村志保(石井杏奈)は、車を改装中の間、人気キッチンカーの人の元でお手伝いをしながらノウハウを学んでいた。一方、渉は部下の男性社員が育休に入ると聞き、頑張れと声をかける。男性社員は「楽しみで楽しみで」と目を輝かせる。そんな姿を見た渉は、自分が若い頃にあんな生き方ができていたら…と想像してしまう。
一人暮らしを始めたあんは、順(小瀧望)に食事に誘われる。寂しい時や辛い時はちゃんとSOSを出すようにと念を押す順。その頃、ゆずは「たそがれステイツ」の一人ひとりの動画をあんに送るため、撮影をしていた。すると渉は、ゆずにある事を願い出て…。
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『小さい頃は神様がいて』キャストと登場人物相関図
『小さい頃は神様がいて』には、実力派から個性派まで、魅力的な俳優陣が集結しています。三世帯が暮らすレトロなマンションを舞台に、それぞれの家庭の絆と再生の物語が交差する構成です。主要人物の関係性を視覚的に理解できるよう、以下の相関図形式に整理しました。
| 住居階層 | 家族名 | 登場人物 | 演者名 | 関係・特徴 |
| 3階 | 小倉家 | 小倉 渉 | 北村有起哉 | 主人公。食品会社勤務。離婚の約束を忘れている夫 |
| 小倉 あん | 仲間由紀恵 | 妻。19年前に「子供が20歳で離婚」と決意し続けている | ||
| 小倉 順 | 小瀧望(WEST) | 消防士。母の苦悩を知り「完璧な息子」として振る舞う | ||
| 小倉 ゆず | 近藤華 | 映画監督志望の大学生。親の離婚話を耳にしている | ||
| 2階 | カップル | 樋口 奈央 | 小野花梨 | 社交的で明るい女性。同性カップルとして暮らしている |
| 高村 志保 | 石井杏奈 | 内気で控えめ。奈央とのキッチンカーの夢を持つ | ||
| 1階 | 永島夫妻 | 永島 慎一 | 草刈正雄 | 家事もこなす愛妻家。住人のまとめ役的存在 |
| 永島 さとこ | 阿川佐和子 | 慎一の妻。昔はモテていたと主張し、家庭内で微妙な立場 |
それぞれのキャラは、他者との関わりの中で徐々に本音を見せ、物語の核心に迫っていきます。
小倉渉&あん夫妻(北村有起哉×仲間由紀恵)の関係性
小倉渉とあん夫妻は、典型的な「仲良しだけどどこかズレている夫婦像」として描かれています。二人は大学の合格発表の場で出会い、恋愛、結婚、出産を経て三階建てマンションで家庭を築いてきました。
19年前、育児ノイローゼに苦しんだあんは、「ゆずが20歳になったら離婚したい」と渉に伝えました。それをずっと守り続けていたのはあんだけで、渉は完全に忘れていたというギャップが、現在の夫婦関係に大きなズレを生み出しています。
この夫婦関係は、現代の“見えない夫婦の溝”をリアルに反映しており、多くの視聴者から共感の声が上がっています。
永島夫妻・樋口×高村カップルなど住人キャスト紹介
他の住人たちも、それぞれにドラマを抱えて生活しています。
1階・永島夫妻(草刈正雄×阿川佐和子)
愛妻家の慎一は地域活動や家事もこなす理想の夫。一方のさとこは過去の恋愛や夫への複雑な感情を持ちながら、夫婦関係を見直そうとしています。
2階・樋口奈央&高村志保(小野花梨×石井杏奈)
同性カップルである2人は、偏見を受けた経験を経て「干渉しない優しい世界」で暮らしたいと願って引っ越してきました。家具のない部屋でキャンプ生活を送るなど、自由な暮らしぶりが印象的です。
子供たちの成長と“家族再生”のキーマンたち
ストーリーが進む中で、子供たちも重要な役割を果たしていきます。
- 順(小瀧望)
母の苦悩を幼少期から感じ取り、「いい息子」を演じ続けてきた存在。家族への理解度が高く、大人びた一面を持っています。 - ゆず(近藤華)
大学生ながら、両親の離婚話を知って動揺する描写もあり、今後の家族再生のカギを握るキャラクターです。
それぞれの子供たちが「親世代とは違う価値観」で人生を選び直そうとしており、本作が“家族の再構築”を描くドラマであることを強く印象づけています。
『小さい頃は神様がいて』最終回結末ネタバレ考察!離婚して復縁するハッピーエンド?
『小さい頃は神様がいて』は、単なる“離婚ドラマ”ではないと思います。
本作の根底には、育児・夫婦・個人の尊厳といった現代的なテーマが通底しており、そのリアルな描写が心を打ちます。ここでは物語の核心に迫るネタバレと結末に関する考察をまとめています。
19年前の離婚の約束が意味する“夫婦のリアル”とは
結論から言えば、19年前の離婚の約束は、ただの「別れ話」ではなく、“あんが自分らしく生きるための猶予期間”としての意味を持っていました。
あんは育児ノイローゼに悩み、「子どもが20歳になったら離婚する」と決めたことで、母として、妻として、自分を保つ支えにしてきました。
対して、渉はその約束を忘れており、あんの苦しみを想像する余地すら持っていなかったのです。
このギャップが生む“静かな断絶”こそが、夫婦のリアルとして視聴者の心に刺さります。
渉とあんがついに離婚!復縁するハッピーエンド?最終回の鍵を握る伏線
なんとついに離婚してしまった2人。
最終回に向けての最大の焦点は、渉とあんが離婚したけれども「再構築を目指すのか?」「復縁するのか?」という選択です。
伏線として注目すべきポイントは以下の通りです。
- 渉の「いい人だがズレている」性格が変化し始めている
- 順やゆずといった子どもたちが親をどう見ているかの描写
- 他の住人たちの夫婦像との対比(永島夫妻、樋口&高村)
これらの要素が、“夫婦が向き合うための時間”として機能しており、再び手を取り合う余地を視聴者に示しています。
個人的には「離婚する」ことに向けて動きだした夫婦が周囲の人達とのやり取りの中で、自然と離婚したものの、復縁・再生に向けて歩き出す最終回を予想します。
また離婚して離れたことで、お互いに、必要な存在だと気付く展開になるのでは?と思います。
SNSでも話題!「子育てと自己犠牲」のテーマを深掘り
本作が特に支持されている理由のひとつは、“母親”であることと“自分らしさ”の両立という難題を真正面から描いている点です。
SNSでは以下のような声が多数見られます。
- 「“自分を犠牲にしてきた母”に泣いた」
- 「離婚=不幸ではなく、新たな始まりに見えた」
- 「“あん”のように自分を取り戻したい」
【子育て=自己犠牲】という構図に疑問を投げかける本作は、特に30〜50代女性からの共感を集めており、単なるホームドラマを超えた“社会的意義”のある作品として受け止められています。
『小さい頃は神様がいて』主題歌はユーミンの新曲
主題歌には、松任谷由実さんがこの作品のために書き下ろした新曲「天までとどけ」が採用されています。
物語と深くリンクしたこの楽曲は、聴く人の記憶や感情に優しく寄り添いながら、心の奥に届くメッセージ性を放っています。
松任谷由実「天までとどけ」歌詞に込められた祈り
「天までとどけ」は、家族の物語を包み込むような静かな祈りを込めた楽曲です。
- 「愛してるのに、わかりあえない夜もある」
- 「すれ違いさえ、記憶の光になる」
こうした歌詞が、あんと渉の関係を象徴するようなメタファーになっており、視聴後に改めて聴きたくなる余韻を残します。
過去のドラマ主題歌と比較した“ユーミン節”の進化
これまで数々のドラマ主題歌を手がけてきたユーミンですが、本作では過去作よりも“静けさ”や“透明感”を重視したアレンジが施されています。
| 過去作品 | 主題歌 | 特徴 |
| 『続・最後から二番目の恋』 | 「今だけを きみだけを」 | 軽快でポジティブなラブソング |
| 『小さい頃は神様がいて』 | 「天までとどけ」 | 優しく穏やかで余韻が深い |
今回の曲は、ユーミンの“現在進行形の表現力”を体現する楽曲といえます。
荒井由実との融合?AI技術が叶えた“第3の歌声”とは
注目すべきは、松任谷由実とAIで再現された“荒井由実”の声を融合した、「第3のユーミン」構想です。
AI技術により、荒井由実時代の歌声を再現し、現在のユーミンと重ねることで、新たな表現が生まれました。
この斬新な試みは、ドラマの「過去と現在が交錯する構成」ともリンクしており、非常に高いシンクロ性を生んでいます。
『小さい頃は神様がいて』今後の展開・視聴者の考察まとめ
物語も中盤を超え、いよいよクライマックスが近づいてきました。
今後の展開で注目すべきは、夫婦・家族・住人それぞれが“どんな選択をするのか”という点です。
離婚か再構築か…各キャラクターが向き合う“人生の選択”
あんと渉の関係性だけでなく、永島夫妻や樋口・志保カップルなど、登場人物全員にとって“岐路”が訪れようとしています。
- あんは離婚後の生活に不安を抱えながらも自立を選びたい気持ちが強く、
- 渉はようやく妻の本心に気づき始めています。
- 樋口・志保は同棲生活における役割分担で悩みを抱えており、
- 永島夫妻は過去と向き合いながら、老後の夫婦関係を再定義しようとしています。
誰の選択も「正解」ではなく、それぞれの事情に基づいた“等身大の決断”が描かれています。
住人たちの過去や秘密が明かされる“夜の会話”に注目
毎話登場する“夜のリビング会話”こそが、物語の核心を照らす場面です。
本音がぽろりとこぼれる瞬間にこそ、人間関係の変化が生まれます。
- 永島夫妻が語る「すれ違いの40年」
- 樋口が志保に隠していた“夢を諦めた理由”
- 渉が順に語った“理想の父親像”と現実のギャップ
登場人物の“語らなかった過去”が徐々に浮き彫りになる中で、視聴者も一緒に気づきや学びを得る構造になっています。
視聴者の感想・口コミから見える“共感のツボ”
TwitterやX(旧Twitter)、Instagramなどでは、放送のたびに多くの感想が投稿されています。
以下に代表的な共感ポイントをまとめました。
- 「あんの“生き直したい”という気持ちが痛いほどわかる」
- 「母でも妻でもない“私”を大切にする描写が涙を誘った」
- 「同性カップルや高齢夫婦の話もリアルで感動した」
性別・世代を超えて共感の声が広がっており、単なる“家族ドラマ”ではなく“人生ドラマ”として愛されている証です。

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